複合機・コピー機に使われるカートリッジとしてはトナーカートリッジとインクカートリッジの2種類が挙げられますが、両者にはどういう違いがあるのでしょうか。今回はその違いについてご説明します。
【目次】
*トナーカートリッジとインクカートリッジの違いは使用機種タイプと使用インクの違い
*トナーカートリッジとインクカートリッジのコスト比較
*業務用複合機・コピー機にトナーカートリッジが使われる理由
*まとめ:トナーカートリッジとインクカートリッジの違いを知って複合機・コピー機導入に役立てる
複合機・コピー機のトナーカートリッジとインクカートリッジの大きな違いとしては、おもに以下の2つが挙げられます。
・それぞれのカートリッジを使用する複合機・コピー機の機種のタイプが違う
・カートリッジに使われるインクそのものが異なる
この2つの違いについて詳しくご説明しましょう。
複合機・コピー機のトナーカートリッジとインクカートリッジの大きな違いとしては、まず次のような適合機種の違いが挙げられます。
・レーザープリンターやレーザー複合機にはトナーカートリッジ
・インクジェット式のプリンターや複合機にはインクカートリッジ
大ざっぱに分類すれば、業務用のコピー機や複合機に使われるのはトナーカートリッジであるケースが多く、家庭用のプリンターなどに使われるのはインクカートリッジであるケースが多いといえます。
トナーカートリッジとインクカートリッジそれぞれに、使用インクの違いがあるというのも大きなポイントです。
トナーカートリッジに使われるインクはミクロサイズの粉末で構成されたインク。静電気によってトナー粉末を印刷用紙に付着させ、その粉末を複合機・プリンターから発する熱や圧力で定着させるという方法で印刷を行います。
トナーカートリッジのインク粉末のおもな原材料は
・着色剤
・バインダ樹脂
・離型剤
・外添剤
・磁性粉
・染料
となっており、水分を多く含むような原材料は含まれていません。
これに対して、インクカートリッジに使われるインクは液体タイプで、トナーカートリッジのインクと比べると状態そのものに大きな違いがあります。
印刷方法もトナーカートリッジとは異なり、プリンターや複合機のノズルから用紙に直接インクを吹きつけるという形で印刷するのがインクカートリッジの大きな特徴です。
インクカートリッジのおもな原材料は
・水
・着色剤
・浸透剤
・pH調整剤
・防腐剤
・乾燥防止剤
となっており、中でももっとも多く使われる原材料は水で、インク全体の60~80%を占めています。
また、インクカートリッジに使われるインクは染料タイプと顔料タイプの2種類がありますが、2種類とも、ノズルから用紙に直接インクを吹きつけるという印刷方法自体は同じです。
ただし、染料タイプはインク粒子が細かく水に溶けきっている状態なので、印刷の際はインクが用紙にしっかり染みこむ状態になるのに対し、顔料タイプは粒子が大きいためインク内の水分に溶けきっておらず、インク用紙に色素が染みこむことなく表面に留まる形になるという違いがあります。
次に、トナーカットリッジとインクカートリッジのコストを比較してみましょう。
トナーカートリッジ | インクカートリッジ | |
印刷コスト/1枚 | 安い | 高い |
導入コスト | 高い | 安い |
トナー・インクについて | 使い放題 | 都度購入 |
※トナーカットリッジが使い放題になるのは保守契約の締結が条件となります。中古の場合はその限りではないのでご注意ください。
トナーカートリッジを使用するコピー機・複合機の方が、インクカートリッジを使用する家庭用プリンターと比較して、導入コストは高くなるものの、1枚あたりの印刷枚数が安くなります。
月々のランニングコストとして1万円以上のインクカートリッジの購入をしている場合は、トナーカートリッジを使用するコピー機・複合機に切り替えた方が月々のランニングコストが抑えられるケースが多いです。逆に印刷枚数がそこまで多くなく、インクカートリッジをほぼ購入することがない場合は、家庭用プリンターの方がトータルコストは安価なケースが多いです。
複合機NAVIではお客様の印刷状況などを踏まえて月々のランニングコストのシミュレーションをお出しさせていただいております。コピー機・複合機の導入を検討している方はもちろん、経費削減をしたいという方も是非お気軽にご相談ください。
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業務用複合機・コピー機に使われるのは、主にトナーカートリッジを使うレーザープリンターやレーザー複合機です。なぜインクジェット式ではなくレーザー式なのかというと、以下のような理由があるためです。
・トナーカートリッジのほうがインクカートリッジよりも大容量なのでビジネスニーズに適した大量印刷が可能だから
・大容量である分1枚あたりのインクコストがインクカートリッジよりも安い
このように、トナーカートリッジには大量印刷に適し、1枚あたりのコストも有利というメリットがあります。
ただ、長期保管をした場合、トナー粉末が湿気を吸って固まってしまうことで不具合が起きやすいというデメリットもあります。このため「業務で複合機・コピー機を使うものの、頻度はごくわずか」というオフィスの場合は、インクカートリッジ対応の複合機・コピー機のほうが適している可能性もあります。
複合機やコピー機に使われるカートリッジの種類はトナーカートリッジとインクカートリッジの2種類がありますが、トナーカートリッジはレーザー式の機器に、インクカートリッジはインクジェット式の機器に使われるという違いがあり、使用されるインクの成分にも大きな違いがあります。
業務用としては基本的にトナーカートリッジを使うレーザー式機器が適していますが、使用頻度が家庭用なみに低いオフィスの場合は、インクジェット式の機器を導入するというのもひとつの手です。
複合機・コピー機導入の際は使用頻度とインクタイプのバランスについてもしっかりと考えるようにしましょう。